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(4)チームワーク
a.人数(扱う物に応じた人数、作業管理できるグループ単位)
船舶の属具は人より船に要求されるサイズが多い。したがって大きさはバラバラで重い物も多い。作業内容に応じて人数を柔軟に配置する必要がある。一人で扱える物の目安は、高齢者ほど軽量で小さくすべきで、場合によっては容器の大きさを調整したり、入れる分量を少なくする等の配慮が必要である。そして、動揺がある場合には身体への加速度が作用するために、この目安は厳しくすべきである。
また、多人数になるほど統制が難しくなるので、協同作業のグループ単位の目安も必要である。
リーダーの力量に負うところも大きいが、おおよそ5名前後が現場で指揮できる目安となろう。

 

b.力量(必要な作業速度に見合う力量の乗組員確保)
係船、荷役、漁るう等時間的制約が強い船内作業での災害が多い。その制約の中でゆとりを持って行えることが災害を少なくする。それには十分な力量で十分な人数を配置する必要がある。また、手際と体力が要求される漁獲物取り扱い等の作業で流れを阻害しない力量が要求される。中に適正に行えない人がいると全体に影響し、危険な状態が起こりかねない。それを防ぐには、その人をカバーできる人を近くに付けたり、場合によっては増員の必要もでてくるであろう。

 

c.指揮監督(グループ単位、船単位での指揮者)
共同作業で、特に多人数で互いの姿が見えない状態、または、分散して行う作業では、部分的及び全体的な統制が難しくなり、不測の作業の流れや物の動きが生じやすく危険である。特に、熟練者は特段の指揮もなく、あうん(阿咋)の呼吸で行うことが多い。うまく行っている場合が多いが、一方これから逸脱した場合には、対処が難しくなる。

 

 

 

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